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指導事例

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Yさん 新小学5年生(年少2月入会 自閉症)

どんどん成長していく息子に負けぬよう、私達も成長しています。

「自閉症」とわかった息子の将来は……

 息子は、普通級の小学4年生で、5歳上の中学2年生の姉がいます。おかげさまで、学校と学習が大好きで、親バカですが成績もいいです。昔の息子からは想像もできないくらいの今の様子です。
 息子は4ヶ月健診で、「お母さんは抱っこが大変でしょう」と言われるくらい大きく、ふっくらしていました。特に変わった様子もなく、かわいい男の子でした。6ヶ月健診では、まだ首がすわっていないようでしたが、先生からは、マシュマロ体質のようで、首はすわっていると言われました。他の子と比べて、なんだか成長がゆっくりだなあ、とは感じていました。
 すると2歳で、言葉が「あー」しか出ず、保健師さんに親子教室を勧められ、1ヶ月に1回の親子教室に参加しました。10組程の親子で、歌を歌ったり、手遊び歌をしたり、ボールで遊んだりしました。他のみんなは楽しそうに笑っていましたが、息子は鍵のかかったドアを嫌がり泣いてばかりでした。息子が走るとき、棒や壁を横目に見て、すれすれの所を通っている姿を見て、保健師さんから「一度発達外来の先生に診てもらったほうが良いのでは」と話があり、後日、保健師さんと一緒に受診しました。
 診察した先生は、保健師さんからの話を聞いていたのか、息子の様子を少し見てから、「自閉症です」と簡単に言いました。私は「言葉が出るようになりますか?」と尋ねると「わかりません」とだけ返事がありました。そして「この子のことを考えると、普通の幼稚園に行くのではなく、療育施設に行ったほうが良いでしょう」と言われました。
 当時、息子は車や電車が好きでミニカーでよく遊んでいました。そして、横目で見ながら走ったり、初めての場所を怖がって泣いたり、毎日同じ道を散歩したり、スーパーの自動ドアは自分が一番に出ないと泣いて、他の人が先に出ると最初からやり直したり、朝起きた時カーテンが開いていると泣いてやり直したり、たくさんのこだわりがありました。
 そのようなことを思い出し、息子の将来はどうなるのか、だんだん不安になり怖くなりました。診察が終わったら涙が溢れてきて、いろいろ不安だらけで、その後どうして帰ったのか思い出せません。主人に話して、まだ言葉が出ない息子を年少から幼稚園に入園させるのではなく、まずは一年間療育で言葉を出せるようにしてから次を考えようと決めました。

印象に残った具体的な成長のプロセス

 そして、週5日の療育施設への通園が始まるとともに、アメリカ式の行動療法を学び、1日1時間、先生と1対1で発語の練習もしました。家でも、毎日、強化子というご褒美( 毎回毎回異なるおもちゃ、ミニカー、しゃぼんだまなど。用意するのがたいへんでした)を用いて練習しました。少しずつ音が出るようになりましたが、まだまだ単語も言えない状態のまま1年が経とうとしていました。
 この頃は、不安と疲れだけがかなり溜まっていました。その療育で有名な先生のセミナーにも参加してその先生の指導も直接受けました。しかし、先生の真似をするどころか、先生を見ず、横を向いて指示はまったく聞かず、鼻をいじっていました。その息子の姿を見て、もう何も学んでいけない状態なのだと思い、療育をやめようかと考え始めました。
 そんな時、同じ自閉症の子を持つお母さんから、この通園施設にいつもしっかりあいさつと返事ができる子がいると聞き、その子はエルベテークという所に通っているらしいと話をしてくれました。家に帰ってからすぐ主人に話をして調べました。代表が本を出していることが分かり、すぐ書店に行き全部注文しました。本が届いてからは、主人と順番に全部の本を読みました。
 これまでに「発達障害」「自閉症」とタイトルのついた本はかなり多く目を通してきましたが、どれもこれも「発達障害」や「自閉症」についての説明ばかりで、息子の成長に繋がる具体的な方法は本からは得られませんでした。
 しかし、河野代表の書かれた本は、これまでの本とは全く違う内容でした。中でも『誤解だらけの発達障害』は発達障害の診断を受けた子供達自身の証言をもとに、どのように成長していったのか、そのプロセスが書かれていました。特に印象に残っているのが、本書の第一章に書かれている「池田君」の言葉です。真冬でも半袖半ズボンという装いしかできなかった池田君の状態を、専門家は「感覚過敏」の一言で片付けてしまいました。しかし、当の池田君自身は「実はとても寒くて凍え死ぬかと思った。それでも着られなかった」と言っていました。この一言に私は全身に衝撃が走ったのを今でも覚えています。本書には、池田君以外にもエルベテークを通じて成長していった子供たちの事例が多数書かれていました。読み終えた時、息子を成長させるにはここしかないと思いすぐに相談会の申し込みをしました。

「この子は学んでいけます」

 相談会では、私たちが代表と話をしている間、息子は後ろの席で先生と学習していました。相談会に来る数日前、4月から普通の幼稚園に入園しようと4 つの幼稚園に事情を話し入園できるか問い合せた所、全部断られてしまいました。保育園も体験入園をしてみましたが、「先生が一人、息子さんにつかないといけない状況なので無理です」と断られていました。そんな息子が先生と楽しそうに笑っている声が聞こえてきました。代表と話をしていた間も、ずっと椅子に座り、先生の言うことに従っていました。帰りに、先生が「この子は学んでいけます」と話していただきました。とても嬉しく、安心したのを今でも覚えています。帰りに主人と「息子が学べるのはこのエルベテークしかない」と入会をすぐに決めました。
 最初、息子に徹底したのが、「教わる姿勢を整えること」です。姿勢が整わなければ先へは進めません。その第一歩はまず、「相手の目を見る」こと。息子の名を呼んだら相手の目を見て「はい」と返事ができるまで何回も繰り返しました。お姉ちゃんにも協力してもらい「目」を見るまで徹底的にやりました。時に嫌がって癇癪を起こす息子を見ると、正直可哀想と思う時もありましたが、このまま成長できないほうがもっと可哀想だと自分に言い聞かせて続けました。
 すると、1ヶ月が過ぎようとする頃には、名前を呼ぶと自然に呼んだ相手の目を見るようになっていきました。この変化に私は嬉しさを感じました。今までは相手の目を見ていなかったので「心ここにあらず」という感じでしたが、息子が私の目を見て指示を待っているのを見ると「これで他の子と同じように物事を教えること、学ぶことができる」と思えるようになったのです。
 そして、幼稚園入園初日、初めての場所、初めての集団生活、果たして息子は大丈夫なのだろうかと心配していたら、なんと息子はみんなと同じように椅子に座り、先生が読む絵本に耳を傾けていました。あまりにも信じられない光景に思わず涙が出てきたと同時に「息子ならやっていける」「息子の成長を親が信じないでどうするんだ」と思わされた瞬間でした。
 通園当初のことです。私の友人から「●●くん、幼稚園に行かないの?」と聞かれ、「幼稚園に通っているけど、どうして?」と聞くと、「普通の幼稚園には行けないみたいよと聞いていたから」と言われ、とても悲しく、忘れられない一言です。
 小学校入学前は自宅で就学児検診や日直当番などの練習を姉が手伝ってくれました。また、お医者さんごっこ、おままごと遊び等をし、私達では分からない学校生活で必要なことを細かく教えてくれました。今でもとても頼りになる存在です。姉もエルベテークに通い一年が経ちます。少し勉強するのが苦手ですが、とても上手に色々な人と付き合っています。息子は勉強が好きで得意ですが、人と上手に付き合っていくのが苦手です。そんな姉弟が、家で友達と喧嘩をした時は、姉がどうすれば良いのかアドバイスしています。とても良い関係の姉弟です。
 息子が小学校に入学してからは、友達とトラブルになり先生に呼ばれることもありましたが、そのつどエルベテークに連絡し対応してきました。相談する所がある、的確なアドバイスをいただけることがとても嬉しく心強く安心です。

息子はまだまだ成長できる……

 私達は、息子が「自閉症」と診断されて、これからどうしたらよいのか? 療育をしていくのか? 幼稚園に通うのか? 将来を考えた時、悩んでいた時、いつも良い出逢いがあり、その縁を大切にしてきました。今考えると、「自閉症」と診断された後、言われたように療育施設に入ったまま、また、外国式の療育をそのまま受け続けていたら、言葉も出ず、今のような生活は間違いなくなかったと思います。
 エルベテークに出逢えていなかったら、今の成長した息子の姿はなかったです。「人の気持ちを考えることが苦手」と話す息子ですが、忙しい時には「お母さん、手伝うよ」と、声を掛けてくれます。どんどん成長していく息子に負けぬよう、私達も成長していきます。
 「発達に遅れがあろうがなかろうが、身につけさせたい力は同じである、その接し方、指導の仕方も原則は同じである」このエルベテークの教えを胸に刻み、これからも家族一丸となって息子の成長を促すよう努力し続けたいと思います。


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