Tさん 小学2年生 (3歳入会 自閉傾向)
どの子にも「しっかり見る力・聞く力」「応じる姿勢」を身に着けさせることが大事
息子の発達が気になり始めた頃
現在小学2年生の次男がエルベテークに通い始めて4年8ヵ月になります。次男の発達具合が少し気になり始めたのは、まだ1歳になる前だったと思います。よく食べ、よく眠り、大人しく育てやすい子供でした。身体的な発達も特に問題なく、すくすくと育っていましたが、「いないいないばあ」などあやしたとき、名前を呼びかけたとき、すぐにこちらを振り返ることが少ないのでした。視線はまったく合わないわけではありませんが、常に合う状態ではありませんでした。2歳上の兄の時と比べて少し反応の薄い子供だなと感じていました。
気になりながらも、1歳半検診を受診しました。検診では保健師さんの質問に全く答えることができず、呼び掛けにも全く応じていませんでした。唯一出来たことは積み木を積み上げることだけでした。この時点で「この子はやはり遅れがあるのかもしれない」と感じました。保健師さんからは「少し様子をみましょう」と言われました。
その後、少しずつ単語は出てくるようにはなりました。2歳半頃からようやく自分がズボンを履きたい時に「ズボンは?」と私に聞いてくるようになりましたが、まだまだしっかりした会話はできませんでした。
時が過ぎ、2歳11ヵ月の時に初めて発達外来を受診しました。その時に受けた発達検査の時も、息子は先生の問いかけに無反応でした。病院の先生からは「まだ小さいので病名をつけることはできませんが、少し自閉傾向がみられます」と診断されました。薄々は気づいていたものの、それを聞いた時はショックで心の中が真っ暗になりました。息子は将来一人で自立して生きていけるのか?そうするにはどうすれば良いのか?でも、その手だてを教えてくれる人は誰もいません。毎日悶々と心に不安を抱えていました。
そんなある日、義母から「これ参考にしてみたら?」と手渡されたのが『発達の遅れが気になる子どもの教え方』という本でした。読み終えて、一気に目の前が明るくなりました。発達に問題のある子供でもエルベテークの「聞く力・見る力」を徹底して学習すれば、子供の人生の道が開けるかもしれないと思いました。
主人と義母に相談し、翌月に大阪から新幹線に乗り、主人と一緒に相談会に出向きました。面談終了後、先生から「自分の嫌いなこと、したくないことから逃げる傾向にあります。それをやめさせるべきです。応じる姿勢を身につけると、とても教えやすい子になります」と言われました。子供の欠点を指摘し、そしてその改善方法まで教えていただける先生方に出会えたことに驚きました。子供を自立させてくれる場はここしかないと確信しました。
学習によってできることが増加
早速、3歳になって年明けの1月から週に一度の学習を始めました。入会当初はまだ自分の名前を言うことも難しい状態でした。何に乗って誰と来たか、名前・年齢を言うなどの指導をしていただき、家庭でも毎日繰り返し練習させました。その結果3歳5ヵ月頃には、今日は誰と一緒に何に乗ってどこへ行ったかなど、過去を振り返り、自分の行動したことを少しずつ思い出し言えるようになってきました。また、平仮名も読めるようになり、数字も少しずつ書けるようになり、今まで何もできなかった次男が、学習のおかげでできることが急激に増えてきました。
エルベテークの勧めもあり、幼稚園へは年中から通園させました。幼稚園では初めてのことだらけで心細かったのか、今まで経験したことのないお遊戯などの練習が始まると時々泣いていたようです。その都度エルベテークのアドバイスに従い、幼稚園の担任の先生に「抱っこなどせず、目をみて、今すべきことを指示して下さい」とお願いし、ご協力いただきました。年中の秋の運動会が終わった頃からようやく幼稚園にも慣れ、それからは泣くこともなく、お友達とも少しずつ遊ぶようになり、特に問題なく卒園しました。
就学時健診は少し心配でしたが、無事終え、普通学級に入学しました。性格的に大人しく、周りから浮いた行動をとってはいけないと自覚しているのか、1年生の頃から離席や授業を妨害するような行動はありませんが、時々授業中に手遊びをしたり、後ろの席の子供に話しかけたりと、授業に集中できないことがあったようです。その都度エルベテークに相談し、担任の先生には子供を一番前の席にしてもらい、姿勢の乱れや授業中にぼーっとすることがあれば注意していただくようご協力をお願いしました。
小学2年の今は、去年に比べ授業中のおしゃべりも減り、何でも真面目に一生懸命に取り組んでいるようです。ただ、授業で音読や歌のテストなど決まった課題の物であれば人前でもしっかりと発表できるのですが、一分間スピーチや本の感想など自分の考えを皆の前で発表するのは、自信がないのか苦戦しています。学年が上がるにつれ、クラスメートとの意見交換や意見発表の場が今よりもぐんと増えると思います。これからは、自分の考えを堂々と発表できるよう、たくましく成長してもらいたいものです。
長男にもエルベテークの学習の仕方を学ばせる
一方、小学4年生になる兄は幼い頃から大人の会話をよく聞き、一人で積極的に行動できる子供です。親が教えなくても、自分で状況を判断し、何でも自分でこなす子供でした。しかし、小学校へ入学すると、書字の時や授業を聞く時の姿勢の悪さ、漢字の筆順を守らない、自分のやりたくないことには、親や先生のアドバイスを素直に聞き入れないなど、様々な問題が持ち上がりました。そこで、正しい姿勢を保ち、時間内にルールを守りながら作業する習字と算盤の習い事を1年生からしていますが、一向に態度が改まる様子はありません。家で学校の宿題をするときは、次男のようにエルベテーク方式で、その都度長男に正しい姿勢を保ちながら学習するように言い聞かせてきました。
しかし、現状はなかなか変わりません。親への甘えもあると思い、主人と相談し、思い切ってこの夏休みにエルベテークで正しい学習の仕方を学ばせてはどうかということになりました。エルベテークの方では快く引き受けてくださいました。
学習を通して、算数では小数点の正しい打ち方、文章問題は問題をよく読み、式・答え・計算の位置を守る、国語では漢字よりもまず書きなれた平仮名を丁寧に書くように、文章の黙読では適当に読むのではなく、速く読み集中することで内容を理解することが大切であるなど、当たり前のようなことですが、見過ごしやすい細かい事柄を子供に丁寧に指導していただきました。遠方のため、授業は2コマでした。長男がどれぐらい先生のご指導を理解できたのか正直わからないですが、正しい学習方法を教わることができ、長男にはとてもプラスになったと思っています。次回も機会があれば是非授業を受けさせたいです。
このように障害があるなしにかかわらず、どんな子供でも、「しっかり見る力」「しっかり聞く力」「応じる姿勢」を小さい頃から身につけさせることは本当に大事なことだと、二人の息子を育てていく中で強く感じています。とても大切なことを教えて頂いたエルベテークの先生方に心から感謝いたします。これから解決すべき課題は沢山ありますが、エルベテークの教えに従い、親子共々初心に戻り頑張ります。
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