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指導事例

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Nさん 中学2年生 (小5の11月に入会 知的障害・発達遅滞)

「きちんとしたやり方で教えれば必ず障害のある子でもできるようになる」

親の気持ちは「これまでの成長が奇跡のよう

 現在息子は中学2年生になり、学校生活を楽しめるようにまで成長しております。小学校5年生の時にエルベテークに通い始めて4年目になりました。父親として最近はやや離れた角度から成長を見守っておりますが、本当にこれまでの成長が奇跡のようで、息子を取り巻く様々な方々に感謝、感謝の連続です。

 息子の成長には、大きく2つの段階があります。1つ目は、普通に生きていくことそのものが困難であった息子を何とか呼吸、歩行、目の収束等改善し生きていくことに希望を見出してくれた脳障害プログラム。そして2つ目が生きていくことに加えて、1人の人間として、将来社会人として必要となる様々な能力を身に着けてくれているエルベテークの存在です。以下息子のこれまでの成長の軌跡を振り返ってみたいと思います。

夫婦と息子3人の戦いの始まり

 「心臓に機能的欠陥があります」。生まれて間もない息子と初めて対面したその日、突然部屋に入ってきた医師がおもむろに聴診器をあて、そう言い残し「奥様にもよろしくお伝えください」と言って、足早に部屋から出ていきました。

 これがこの先夫婦と息子3人の戦いの始まりでした。幸い心臓は、心室中隔欠損というもので穴もそれほど大きくなく経過観察で良いことになりました。ただし、それからの息子の成長は全てが遅く、首のすわり、寝返り、お座り、歩行等周りの子とは明らかに違っていました。隣で大きな音がしても反応せず、口は半開きでよだれをたらし、目は焦点が合わないといった状況で、4歳になっても言葉はなく、手を繋がなければ歩くこともままならない状況でした。

 健診のたびに言われるのは、親の接し方の問題で成長が遅くなっているのだと言わんばかりの心無い言葉でそのたびに毎日頑張っている妻は傷ついていました。その間保健センターの発達の遅れのある子たち向けの教室に行っても、その子たちのレベルについていけず隅で座って見ている感じで、その他作業療法、理学療法、言葉の教室、音楽教室等様々試みましたが、ほとんど効果は見られませんでした。かろうじて入園させてくれた幼稚園でも、他の子と全く交わることなくただ幼稚園にいるだけでした。

 何人もの医師に息子の状況を確認しても口を揃えたように「原因がわかりませんが知的障害、発達遅延と思われます」というあいまいな回答でした。これまで必死に頑張ってきた妻も、「期待を持つと悲しくなるからもう期待するのはやめようかな」と悲しげに言ったことがきっかけで図書館で何か良い方法はないか色々調べました。

「このままではいけない」という漠然とした思いから

 そこで見つけたのが1段階目の脳障害プログラムでした。そこで幼稚園年中~小学校の3年までの5年間自宅でトレーニングを続けました。学校にも事情を伝え在籍だけさせてもらい、実際に小学校に通い始めたのが4年生からです。その間5歳の時に、県の児童相談所で判定を受け、迷うことなしの最重度「A」でした。「今健常児にするために頑張っている」と担当者に伝えると、「障害の程度が悪くなることはあっても良くなることはなく、これから成長を期待するのは無理なので現状を受け入れてください」とはっきりと言われたのを今でも覚えております。

 何とか頑張って自宅トレーニングを続けた結果、立って歩き、少しですが走れるようになり、呼吸も楽にできるようになったことで、小学校4年生から復帰する際に特別支援学級に入れてもらえることになりました。ただ相変わらず言葉はほとんど会話が成り立たず、目の前で直接本人に向かって話しかけないと話していることに気付かず全く聞いていない状況なので、他の子供ともうまくやっていけるか心配でした。また親以外の人と外で会っても全く無視したように振る舞い目も合わせない状況でしたので、正直やっと人として成長させていくためのスタート地点に立ったという感覚でした。

 小学校の行き帰りは妻が車で送り迎えしていましたので毎日状況は把握できました。最初はクラスを脱走し行方不明になったりしてどうなることかと心配しましたが、子供の気持ちがわかる良い先生でしたので基本的な生活習慣を熱心に教えてくれていました。息子にとって初めての経験の箸の使い方や、衣服の脱ぎ着、基本的なあいさつ等大切なことをたくさん学んでいましたが、こと勉強についてはあまり関心がなく勉強ができなくても生きていけるという方針のようでした。

 一番の課題は言葉の問題で、先生がみんなに向かって話していることを息子は全く聞いておらず、他のみんなが動き出しても気にせずそのまま椅子に座っている状況でした。それでもあまり話すことができない子と仲良くなり楽しそうに通っているのが救いでした。もちろん息子に聞いても今日何があったとか、楽しかったとか返事はなく、ただ「うん」という返事が返ってくるだけなので詳しい状況は私にはさっぱりわかりませんでした。ただ漠然とこのままではいけないという思いだけがありました。

1対1の会話のやりとりから練習

 5年生の夏に障害児向けのスイミングスクールの枠が空き入れてもらえることになり、たまたまそこに来ていた子供のお母さんから妻がエルベテークを紹介され、指導相談会に参加しました。そこで、椅子に座るときの姿勢から、受け答え、目の視線、ついついまあいいかと甘やかしていた部分を指摘され、それに息子がきちんと返事をして対応していることに正直驚きました。意識がどこかにいってしまいがちな普段とは全く違い集中して取り組んでいたのが印象的でした。

 1対1での会話のやり取りが基本で、これができない状況で集団でのコミュニケーションが取れるはずがないという説明にものすごく納得しました(集団生活になれていないことが原因だと言われ続けていましたので)。また、国語や数学といった教科を学習していきますが、それが主目的ではなく、そのことを使って言葉のやり取りをスムーズにできるようにしていき、結果として勉強もできるようになるという説明に共感を得ることができ、入会の意思を伝えました。

 お陰様で息子はエルベテークに行くことを楽しみにしているようで、指導してくださる先生のこともとても気に入っている様子です。毎回出される宿題も、親がやりなさいと言わなくとも計画的に自分で取り組んでいます。

 最近は仕事が忙しく息子と接する機会が以前より少なくなっていますが、たまに宿題をしている息子のそばにいるとわからない問題が出てきた時に私に質問をしてきます。その内容に毎回驚かされます。はじめの頃はひらがなや小学1年生の漢字、ごく簡単な文章の読解問題、1ケタの足し算、引き算でも苦労していた息子が、今では3ケタ÷2ケタの割り算や時刻の文章問題、最近の大人では書けないのではというような漢字や助詞の使い方、英作文まで、いつの間にこんなことがわかるようになったのだと驚きつつ、間違った教え方をしてはいけないので不安な時はあわててエルベテークの教材を素早く確認して教えています。その時の息子の教わり方の素直さというか教わる姿勢が以前とは別人のようで、改めてエルベテークの基本姿勢が身についているとうれしく思っております。

 また、数学、国語、英語の能力向上以上にうれしく思うのが、今日何があったのか、どこに行って何をしたのかという私の質問に対してきちんと返事が返ってくるようになったことです。ずっと長い間、息子と直接言葉で会話するなど夢のまた夢という状況が続いていましたので本当にうれしく思います。

本人の自信と苦手を克服しようとする原動力

 中学校ではどうしても障害の程度の軽い子が圧倒的に多く、傍目にはどうして普通学級にいかないのかなと思える子たちの中で、どうしても自分の殻に閉じこもってしまいがちですが、息子の場合、数学、国語、英語という教科ができることが本人の中での自信につながっています。人よりも苦手なことも多いけれどすぐれているものもあるということが、苦手なことから目を背けるのではなく少しずつ克服していこうという原動力につながっているようです。

 自己流で無駄に時間と労力を浪費することなく、エルベテークとの素晴らしい出会いがあったおかげで将来に向けての希望が湧いております。これからが本番と思いさらに親子ともども頑張っていく所存です。最初からできるわけがないと決めつけず、きちんとしたやり方で教えれば必ず障害がある子でもできるようになるということを多くの人にわかっていただければ幸いです。


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