エルベテーク
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指導事例

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Yさん 新大学1年生(年少11月入会 発達遅滞)

頑張る姿を今後も報告できること、 それが私たちからの恩返し

言葉の遅れ、偏食、コミュニケーションの遅れなど

 2年間の浪人生活を経て今春、長男は希望の大学に入学することになりました。受験という道を自ら選択し、忍耐強くコツコツと勉強を続けた長男の基礎には、エルベテークでの教えがあります。4歳半から中学2年生まで毎週通いました。高校3年生の時と浪人時代も一時期、川口まで学習に通い、進路についても相談させていただきました。
 長男は赤ちゃんの時から1日中泣き続け眠らない子でした。おむつを替えてもミルクを飲んでも抱っこをしても泣き止まず、昼夜を問わず泣き続け、何故泣いているのかも分からず、もし情緒障害という病気があったらそうなのかも知れないと思ったほど、たいへんな状態でした。加えて、2歳くらいからは自分の額を床や壁に打ち付け始めました。同時に偏食がひどくなり出しました。もちろん、言葉の遅れと指差しをしないことなども心配でした。 そして、親戚から「自閉症ではないか」と指摘されて、2歳6ヵ月のときに病院で検査等をしてもらいました。そのときは、発達に遅れはみられるものの、脳波などに異常はないとのことで、「しばらく様子を見ましょう」と言われました。しかし、私の心はもう不安でいっぱいでした。その後、頭を打ち付けることはなくなりましたが、反面ますます偏食がひどくなり、食事をほとんどしなくなりました。口にするものはパン、フライドポテト、牛乳、一定のスナック菓子のみ。言葉の遅れも心配ですが、食事をしないことのほうがより切実な大きな心配となってきました。
 年少から幼稚園に入れました。しかし、4歳になっても言葉は出ておらず、幼稚園ではお友達とのコミュニケーションが取れなくて、一人遊びの日々でした。また、お弁当を持っていっても毎日何も食べず、偏食傾向は変わらない状況が続き、心配は募るばかりでした。 区の療育センターを紹介していただき、週に2日ほど通うことにしましたが、母子密着を訴えるばかりで何の解決策も有効な指導も持たないセンターに失望し、すぐにやめました。その後、大学病院や付属の療育センターなどを回りましたが、どこも「無理せず、子どもがやりたくないことはさせず、ゆっくり成長を待ちましょう」というスタンスで、納得できるようなアドバイスをしてくれる所はありませんでした。
改善しようという親の覚悟
 そんな時、大学病院で「お母さん、病院は治す所ではありません。診断を下す所です」と言われました。「それじゃ、一体どこに行けばよいのか。どこに行けば長男を正しく導いてくれるのか」と悩み続ける毎日でしたが、子どもの気持ちに合わせるのではなく、指導者のペースで子どもを主導してくれるような場所を探し始めました。必死に探し求めた結果、出会えたのがエルベテークです。直ぐに連絡して面談をしていただきました。面談時に先生が厳しくも優しく、毅然と長男を主導してくれている姿に、探し求めていたものにやっと出会えたという嬉しさと安堵を覚えました。
 このように、子どもへの適切な指導を求め、やっとエルベテークに出会った時、息子は4歳半になっていました。相変わらず気持ちや行動をコントロールできず、周りと関われませんでした。偏食はますますひどくなっていました。入会してからまもなく偏食のことを相談すると、「自然に食べるようになるのは難しいです。まず、少量を口に入れ、吐き出さないよう伝え、食べさせるようにしてください」と先生より言われ驚きました。今までどこに行っても「無理をせず、楽しく食べるように。成長と共に自然に食べるようになる」と言われていたことと正反対の指摘でした。 そこで、その日から親も偏食を改善しようと覚悟を決め息子と真剣に向き合いました。「どんなことがあってもまず少量を必ず全部食べさせること、間食をさせないこと」でした。最初は食べ物を口に入れ飲み込ませるまでがたいへんでしたが、親の気迫が通じたのか、息子も最後までがんばって食べたのでした。食事をとるといった当たり前のことが何年もできなかった息子です。このときが息子にとっても私にとっても一番つらかったですが、がんばって乗り切りました。そして、それ以降は出されたものはすべてきちんと食べるようになりました。今ではかなりの食いしん坊です。 息子には、他にもいろいろなこだわりがあり、親や弟、周りの方に対して、場にそぐわない言動などの問題もありましたが、エルベテークの学習を通して、先生は息子に感情と行動をコントロールすること、がまんすることを根気強く教えてくださいました。
 長男としての行動も少しずつ
 小学校入学前も就学時健診の受け方などのアドバイスをもらい、当初は普通学級に通えるかとても不安でしたが、無事に入学することができました。エルベテークで担任とのコミュニケーションのとり方などきめ細かく指導いただき、入学後はすべての担任に、エルベテークと相談して作成した「指導上配慮していただきたいこと」をもとに面談をお願いしました。そのおかげで、息子は学校で問題行動を起こすことはありませんでしたが、できないこと、理解不足なことも多々あり、まだまだ親のフォローが必要でした。また、お友達とのコミュニケーションが上手でないため、一人過ごすことが多かったのですが、4年生頃から仲の良いお友達もできて、放課後は我が家で遊ぶことも増えていきました。 長男同様、エルベテークで学ばせたいと次男も入会させていただきましたが、私がフルタイムで働くことになり、エルベテークへの送迎が出来なくなってしまいました。それからは、小学5年の長男が電車でエルベテークまで小学2年の次男を連れて行ってくれるようになり、頼もしいお兄さんぶりを発揮することも出てきました。
 中学校は近くの公立に進学しました。卓球部にも入部し、3年間やり通しました。中学では、からかいや言葉によるいじめなどもあったようですが、その都度、担任と相談して、必要な注意をしていただきました。自己表現が上手にできず、本人も辛いことが多々あったようですが、学校を休むことなく、強い意志を持って通い続けたことに親の私も驚いたと同時に大きな成長を感じました。
 高校も自分の意志で学校を選び受験しました。中学から続けていた卓球を高校でも続け、部長も務めました。高校でも人間関係など上手くいかないことなどあったようですが、途中で投げ出すことなく、真面目に取り組んでいました。
 自ら受験勉強の道を選択し、合格にたどりつく
 大学に行きたいということで、進学を考えていくことになりましたが、親とエルベテークが、進学するなら「指定校推薦」という選択肢を助言しても、希望する大学を受験したいという本人の強い思いでなかなか方向性が定まりませんでした。親としては本人が望むならチャレンジさせてあげたいと思いつつも、現実的には困難なことが多く、何度も話し合いましたが、結局本人の強い意志を通して、受験することになりました。結果は全敗。自分の実力以上の大学ばかり受験したことが原因でした。結果は目に見えていましたが、言い出したら聞かない長男は経験しないと分からないと思いました。 そして、次年度は、自分の実力に応じた学校をいくつか受験することを約束して臨みました。残念ながら本人の希望する大学には受かりませんでしたが、いくつか合格をいただいた大学がありました。本人としては気が進まないものの、限られた選択肢の中で悩んでいました。
 浪人は1年間だけという約束でしたが、その1年間の長男の頑張りをそばで見ていて親として思うものがありました。史学の勉強をしたいという長男の日本史の成績が1年間で驚くほど伸びました。苦手で伸びない分野もありますが、伸びしろがある分野もあるはずだと、大学卒業後の就職先に焦点をあて、希望する学部を替えるという選択肢があることを話し合いました。長男の性質に合っていて、卒業後の就職先を確保できる学部を再受験するということ。それにはもう1年勉強する必要がありますが、2浪するには精神的にとても辛いことだと思います。もう1年、受験勉強をするか、それとも合格した大学に進学するか、非常に悩んだ結果、長男はもう1年受験勉強する道を選択しました。 そして、この1年は、前年にも増して精神面でも学力面でも大きな成長が感じられました。それは長男自身も実感したようで、「この1年、勉強することが苦にならなくなった。理解できることが増え、楽しくなったし、もっと勉強したくなった。」と自信にも繋がったようです。今年は何とか無事に希望の大学に合格することができました。

学んだこと、身につけたこと
素直で真面目、自分で決めたことは最後までやり抜く、それがエルベテークで学んだ現在の長男の姿です。高校卒業後からは、お友達とも良い交流が持てるようになりました。受験から解放された現在は、小中高、予備校のお友達と一緒に遊びに行ったり、自分でお店を探して予約して皆で食事に行ったり、アルバイトの面接に行ったりと楽しく過ごしています。エルベテークと出会えたおかげで、長男は大きく成長することができました。幼少時代、親子して濃霧の中にいるような状況で、先が見えず不安な日々でしたが、エルベテークが「しなくてはいけないこと」を明確にし、いつでも相談にのって下さり、的確な助言をして下さったことで少しずつ霧が晴れるように、前に進むことができました。エルベテークには、深い感謝と共に、頑張る姿を今後も報告できることが恩返しになるのかなと思っております。


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