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指導事例

指導事例

Wさん 中学1年生 (年長3月入会 発達遅滞)

諦めずに学習を続ける真面目な姿勢と、わかりたいという思い

大病を乗り越えての幼稚園生活

 双子の妹として生まれた娘は、出産前の段階で腸に疾患があることを医師から告げられていました。体重は1500g足らずで、出産翌日に腸の手術を行いNICUに入院、再手術を経て2ヵ月後に退院しました。点滴での栄養摂取が長かったため退院時の体重はやっと2000gで姉との体格差はさらに開きました。執刀医からは「腸の疾患以外は血液検査も問題ないのでそのうち姉に追いつきますよ」と言われましたが、その後も腸閉塞での入退院など、少しの発熱から大病に見舞われることも多かったため、目の前の対応に追われる毎日で成長をゆっくり見守る気持ちの余裕がありませんでした。
 それでも2歳、3歳と姉からはだいぶ遅れながらも「言葉を発する」、「ハイハイ」から「歩く」こともできるようになりました。成長の遅れは、その後の定期検診でも出産時の手術によるものと言われていました。
 そして、幼稚園にはプレ保育1年を経て姉と一緒に年中から入園しました。この頃から同い年の子と比べ色々な面で違いが出てきました。特に身体的なバランス感覚の欠如が目立ちました。例えば歩行時に平坦な道でよく転び、片足立ちや少しの高さでもバランスを崩します。他にもカメラを向けたとき、ほとんどすべて目線を合わせられず困りました。手先がうまく使えないことで所作にも時間がかかります。娘は左利きなので教えにくかったこともありますが、はさみや糊など道具を使う作業、ボタンやチャックの開け閉めなどがうまくできません。
 ゲームのルールは先生の指示だけではどう動けばいいかわからず、また困っていることや自分の気持ちを言葉にして表現するのが苦手でした。助けがくるまでじっと待っています。他の子が数回で習得できることが、同じ教え方ではなかなか理解できずにいました。一方、友達同士のかかわり合いについては性格が穏やかなこともあり、トラブルを起こすことはありませんでした。

小学校入学前に困っていたこと、その解決に向けて

 幼稚園年長になり、腸疾患の経過診察で定期的に通院していた国立成育医療研究センターで娘の発達について相談し検査をしました。その結果、小脳の発育が不十分であることが分かり、「精神運動発達の遅れ」と診断されました。指の動きが不器用、ボールキャッチや模写が苦手などの症状があり、学習に困難をきたす可能性があるとのことでした。そのうち追いつくと言われていただけに重い宣告でした。
 その後は病院から勧められた地域の療育センターに通い、体のバランス感覚を養う療育(運動)をしました。ただ、直前に迫ってきた小学校入学を前に平仮名が正確に書けない、数の認識や図形の模写が出来ないなどの部分について、療育(教育)では具体的な策がありませんでした。
 そんな折、書店で1冊の本が目に留まりました。『発達の遅れが気になる子どもの教え方』です。当てはまる事例が多々あり、また娘のような課題のある子供に対しての指導方針や具体的な学習方法が書かれておりました。すぐにエルベテーク川口教室を調べて連絡し面談(体験授業)していただくこととなりました。小学校入学1ヶ月前の頃です。当日は、風がとても強く面談時間に遅れてしまいました。道に迷いながら家族4人で教室に駆け込んだのが昨日のことのようです。
 今でも強く印象に残っているのは先生との初めての挨拶です。それはしっかりと相手の「目」を見て行い、終わったら「口」を閉じる一連の動作です。相手の目を見て短い言葉ではっきり明確な指示を出す終始毅然とした先生の指導に、娘も幼心にこれまでと違う「何か」を感じたのでしょう。表情が変わったことを思い出します。しっかりと「見る」「聞く」というコミュニケーションの基本姿勢は娘を育てていく過程の大切な指針、心構えとなりました。

学校と話し合いながら理解と協力を得る

 小学校は通常級に入学しました。先に市の教育センターで面談があり不安を抱えましたが、小学校で面談の際はエルベテークからのアドバイス通り「指導上配慮いただきたい点」をレポートにまとめ、娘とともに校長先生、教頭先生と面談しました。その際、平仮名が書ける、10までの計算ができる、自転車に乗れるなど、できる点はなるべく具体的に、そして緊張しやすい性格のため初めての行事や場所の際にごくまれに口調が強くなることがあるなど、学校側の心配を招きそうな点は深刻になりすぎない表現に努めました。また、双子の姉とはクラスを別々にして欲しい旨を申し入れました。エルベテークより双方のためにならないとの助言からです。実際、学校での出来事は姉や周りのお母様方から教えてもらえましたし、二人がそれぞれに自立できたと思います。
 入学直後には担任の先生と面談し娘の状況をお伝えするとともに学校と家庭での情報共有をお願いしました。その後卒業まで6年間、毎年夫婦でレポートを持参し担任の先生と面談しました。気になる事があった場合は連絡帳や電話のやりとりで連携を取りました。特に所作(作業や運動)を伴う実技教科については、どのようなことをするか事前に教えてもらい家庭で練習し仕上げるなどで対応しました。通級など勧められた学年もありましたが、その都度話し合い理解を得ることに努めました。
 中学入学については、学区の中学校の生徒数が1200名を超える規模の大きさに不安を感じていました。そこでこの機会に都内の実家近くに転居しようと決心し、1年程前から何校かの学校公開に出向き二人が通う中学校を探しました。入学時には小学校同様「娘の現状と配慮いただきたい点をレポートにまとめ、転居の挨拶を兼ね家族全員でお伺いし、校長先生、学年主任の先生と面談しました。通常級に在籍し姉とは別々のクラスです。小学校と違い教科ごとに担当の先生が変わります。特別支援や通級が早急に必要ではとの意見もあったので、入学してしばらくの間は迷い悩みました。とにかく、これまで貫いてきた「忘れ物をしない」、「宿題や提出物は期日までに仕上げる」ことを心がけました。毎週行われる漢字や英単語の小テストは当日の朝に必ず再チェックし臨むようにしました。そして二泊三日の宿泊研修に続いて行われた初めての期末テストは、それまでの疲れや緊張からか発熱し初日を欠席してしまいました。その後なんとか持ち直し残りのテストを無事終えました。7月の三者面談では学習に対する理解を得られ、今後の様子を見守ることになりました。

人に迷惑をかけない、約束を守る…

 これまでを通して気をつけたことは、人に迷惑をかけない(忘れ物をしない)、約束を守る(期日を守る)、課題を把握する(何ができて何ができないか)ことです。そして日々の小さな積み重ねを大事にしました。これら基本的な姿勢は全て姉にも通じることでした。加えて小中学校ともになるべく早い学年のうちにPTA委員を引受けたことで、在校生がいるお母様方から学校に関する様々な情報や助言をいただき大変助かりました。また、学校に行く回数が増えることで先生方と信頼関係を築きやすくなると思います。周りの協力者を増やす工夫や努力が大切だと感じます。
 娘はこれまで一度もエルベテークの通学を嫌がったことはなく、むしろその必要性を強く感じているようです。毎日机に向かい勉強し、諦めず黙々と作業を続ける姿に真面目さとわかりたいという純粋な思いを感じます。そして、しっかり者の姉には同い年ながら教えてもらうこと、助けてもらうことが多く本当に感謝しています。始まったばかりの中学校生活は課題も多くまだまだ難しいことが起こると思います。今後の進路については、助言をいただきながら家族でよく話し合っていきます。今はできることを積み重ねて力をつけこれからも精一杯応援していきたいです。


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