エルベテーク
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季刊誌―エルベテーク

2018年 秋季号 巻頭言 善悪を判断し、誠実に、根気よくものごとに取り組む習慣

「何が良くて、何が悪いのか」

 18 年前の2000 年6 月号の季刊誌で、フランスの思想家ピエール・ルジャンドル氏(1930 年〜)の対談記事(朝日新聞2000 年5 月12 日夕刊)から抜き出した文章を紹介しました。その訳は、教育の現状の捉え方と教育の目的・目標が、私たちエルベテークと共通していると思ったからです。
 「多くの若者や子供たちが自分自身を築きあげる方法を見失っている。……(中略)……若者が崩壊しているのは、大人が背負い切れなくなった重荷を彼らに負わせた結果です。自分のことは自分で勝手に組み立てなさいと次の世代に言う。そんなことは過去になかったことです」
 「組み立てられて、初めて一人の人間になるのです。大切なのは、この時に尊重しなければならない規則があることです……(中略)……本当は子供が求めているのは、何が良くて、何が悪いのか。黒か白かをだれかがはっきりさせてくれることです」

 彼が述べている「組み立てる」「築きあげる」とは教育そのものに他なりません。大人が、子どもたちに生きていく方向を示すという役割を忘れて、自由に成長していいよと規則や礼儀などを教えることを軽んじてしまった結果、社会がやがてどのような事態を迎えるのか、それを彼も20 年近く前に懸念していたように思われます。「何が良くて、何が悪いのか。黒か白かをだれかがはっきりさせてくれること」という、彼の言葉はごく当たり前の指摘ですが、これまでもお伝えしているように、「それはちがう」「しません」「それでいいよ」ときっぱり子どもに教える(注意する)という接し方が求められているのではないでしょうか。

身につけた力が周囲を変えた

 実は、先日、就職が内定した大学生と社会人になった卒業生のお母さま2 人から話を聞く機会がありました。その際に感じたことも、幼いころから受けてきた、まず「受け入れる姿勢」を身につけさせる教育、「してはいけないこと」と「しなければならないこと」を教え続ける教育が、最終的には良い結果をもたらすという事実についてでした。
 大学4 年生になったA くんのお母さまは、当時「これからどうしていけばいいのか」と不安になり、小学1 年の6 月から私たちの教室で学習させる道を選びました。それでも「学校の授業についていけない」「この先どうなるのだろう? 自立はできないかも?」などと不安は尽きなかったとのことです。
 しかし、学習を通して何事にも諦めずコツコツと取り組む習慣が根付き、彼自身が少しずつ力をつけました。それとともに周りの見る目が変わっていきました。
 A くんは高校進学にあたり、偏差値で言うと下位の私立高校になんとか合格できたという状態でした。ただし、彼が周りの子どもたちと違っていたことは、真面目で根気よく取り組む習慣が整っていたことでした。それは彼の大きな財産です。
 毎日、3 時間ほどを家庭学習の時間に充て、テスト前には6、7 時間にのぼったそうです。すると、彼の努力が周囲から評価され、高校3 年の時に学校側から「大学に進んでみてはどうか」と勧められ、推薦で大学の商学部に合格したのです。「大学に進学するなんてまったく考えていなかったのに……」とお母さまは当時を振り返って話してくれました。
 大学でも彼の努力は続きました。レポートの提出、講義の後の小テストなど。アルバイトをしながら、大学でも高校と同じぐらい勉強したそうです。勉学にあまり熱心でない同世代の大学生たちとは異なります。その努力が大学の教職員を動かし、学業とともに就職に向けても適切な指導や応援を受けることができました。
 現在、すでに卒業に必要な単位はすべて取得し、2 社の採用内定をもらっているとのこと。9 月中旬にはそのうちの1 社であるサービス関連の会社で入社前の研修を受けるそうです。
 またB くん(『発達障害の教える難しさを乗り越える』152 ページで紹介)は、いま、福祉関係の会社で社会人2 年目の生活を送っています。勤務シフトの関係で朝5 時に起床し出勤することもありますが、現在まで無欠勤を続けています。お母さまの話では、根気よく取り組む姿勢と真面目で誠実な性格が会社から信頼されるとともに、上司や同僚の方々との懇親の機会も多く、目をかけてもらっているとのことでした。友人と旅行も楽しんでいるそうです。「高校2 年の時まで一人も友だちがいなくて、あんなに心配したのに……」とお母さまは話していました。
 それぞれ幼児期に、「広汎性発達障害」と診断されたA くん、「自閉傾向のある学習障害」と診断されたB くん。2 人とも言葉の遅れや覚えるのが苦手という課題があったため、「勉強できるようになるわけがない」と診断した医師や療育関係者から言われました。しかし、いま、A くんは来春の就職に向け、入社前研修を受けています。B くんは当たり前のように一所懸命仕事に取り組み、無欠勤を続けています。時間を超えて過去と現在の2 つの事実を比べてみれば、子どもに何が必要なのか、一目瞭然ではないでしょうか。


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