エルベテーク
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季刊誌―エルベテーク

2018年 新年号 巻頭言 大人と子供の、気になる共通点

自分本位を改められない大人の姿

仕事柄、現役のビジネスマンやリタイアした元ベテランの方々と話す機会がよくあります。以前より気づくのは、それぞれの指摘あるいは悩みに共通する事例が多いことです。
たとえば、いまの20代~30代に対して、先輩として仕事の進み具合や結果が芳しくない点を指摘します。そうすると、「環境が良くない」「風通しが悪い」「マニュアルをしっかりすべき」「コミュニケーションがとれていない」などの反応が多いとのことです。もっともらしい返答と受け取ってしまいそうですが、いずれにもうまくいかない原因や理由は自分以外にあると初めから主張する姿があるように思うのです。

あるいは、「君のこの部分を改めるように」と注意すると、不機嫌な態度で「自分の特性だからわかってほしい」「自分に見合う仕事をしていきたい」と訴えるそうです。自分を見つめ直し、改めるべきところを改めるといった発想に至らない姿がそこにあります。

そのような若手社員の対応に業を煮やして上司に相談すると、今度は「若手とのコミュニケーションがとれていないので、若手の考えや気持ちをもっと理解してやるように」とか「風通しのよい組織になるよう工夫して」と言われるだけで、納得できる対応策のアドバイスがないとのことです。ありきたりの指示としては「ミーティングや打合せを増やし親睦会も考えたらどうか」ぐらいで終わってしまうため、「さてどうしていいやら」と悩んでいる中間管理職が多いようです。

昔から人には自分の都合のよいことだけを主張したり、失敗の原因・理由を他人のせいにするような傾向はあります。しかし、現在ほど本人が堂々と「特性だからわかってほしい」と言うケースはなかったように思います。そうした主張をする人間はむしろ少数派で、「謙虚に反省すべきは反省する」「成長するためには人間は努力しなければならない」といった多数の人間の見識によって退けられていたものです。経験を積んだ上司が部下に対して、「どうすべきか」を日頃からきちんと手本を示し、具体的に伝えていたはずです。

いまは、そうした人間関係が見られず、「自己肯定」「自尊感情」といった心理用語が幅を利かせ、「人間本来の自分のことしか考えないという傾向」をより強め、周りに目を向けていないように思います。無意識とはいえ、未熟な人間が周りの意見を聞こうともせず、ひたすら自分で自分を評価するという世界に留まっているならば、また、年長者が未熟な人間を導くためのヒントを与えるのではなく、自己保身に陥り、自分自身の無策さを顧みようとしないならば、そこには自らをコントロールしながら力を伸ばしていくといった建設的な道筋はつくりようがないように思われるのですが……。

親と子の努力する姿から学ぶ

ビジネスマン社会の話をしてきましたが、現在の子どもの教育をめぐる状況と似ているように感じます。いや、ほとんど同じだと思わずにはいられません。最初から自分以外に問題点を探し、周りのせいにして終わる。責任はとらない。適切な判断もなければ、具体的な行動を始めようともしない。教える立場の人間のほうも自分の役割についてよくわかっていない……。子どもの世界でもそんな傾向が強まっていないでしょうか。

こうした状況が見られるのは、子どもの頃から適切な教育が行なわれず、自分本位の世界を抜け出す習慣が身につかず、そのまま放置されてしまった結果なのではないかと考えざるを得ません。ちょっと注意されただけでふてくされ、反抗的な態度をとったり、落ち込んでやる気をなくする大人や子どもが以前よりかなり増えていると多くの方が感じているはずです。

憂慮すべき事態ですが、やはり、子どもが子どもなりに自分の幼さから抜け出そうと努力する姿、口先ではなく学習を通して努力しながら自分の力を伸ばしていく姿、そうした努力とコントロールの姿を社会みんなで共有することが鍵を握っているのだと思います。

幸いなことに、私たちの教室には、親と子が同じ教育方針を分かち合い、懸命に努力する姿があります。子どもの成長にとって何が大切なのか、そのためにどうすべきかの答えがたくさん詰まっているのではないかと思っています。私たちが学ぶべきは、長い時間によって検証された、こうした事実と実例からだと考えます。

今回、「保護者の声」で紹介する坂本さんのお話にもありますが、子どもの教育には適切で効果的な実証された指導法が求められています。それがあるからこそ、夫婦が同じ方向を向いて子育てにあたることができるわけですし、学習の積み重ねによって子どもに確実に力がつき伸びていく成長を期待できるのだと思います。

冒頭で紹介したビジネスマンのエピソードでも、よく見ていくと、核心となる指導法が抜けていることに気づくはずです。つまり、後輩にOJTのなかでケーススタディを通して業務能力が向上するよう効果的に教えていくには、先輩が的確な「教える力」を身につけていることが必要です。大人にも子どもにも共通する、この問題点を真剣に考えなければならない時期なのだと思います。


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