エルベテーク
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指導事例

指導事例

Tさん 年中 (2才9ヵ月入会 広汎性発達障害)

チャレンジ精神の獲得

軽度の自閉症と診断されて

 息子の発達が、ほかの子供と違うのではないか。そんな考えをいだいたのは、1歳半になったころでした。理由は、言葉の発達が2歳上の姉と比べ、明らかに遅かったからです。最初のうちは、「男の子は女の子よりも言葉が遅いもの」という通説を信じていましたし、2歳児検診でも医師から「言葉の発達は個人差が大きい。この問題で悩む親御さんは多いが、9割以上は杞憂に終わります」と励まされ、3歳児検診まで様子をみましょうということになりました。しかし、それからの半年間、疑念は膨らむばかりでした。息子の口から、いくつかの単語は出ていましたが、受け答えがまったくできないだけでなく、他人と目線を合わせない、呼びかけても注意を払わないなど、気になる傾向が日に日に強まっていきました。

 2歳半検診でその点を訴えると、主治医もこちらの不安に理解を示し、発達障害への対応で実績のある病院を紹介してくれました。そこでさまざまな検査を受けた結果、「自閉傾向のある広汎性発達障害」という診断が下されました。平たく言えば、ごく軽度の自閉症です。その診断を告げられた時、親としてのショックは計り知れない大きさでした。でも、診断してくれた医師からは、「ごく軽度だから、これからの訓練で、学齢期までに健常児と変わらないレベルに発達することもあり得る」と励まされ、何とか気を取り直すことができました。その病院には発達に障害を持つ子供を対象にした訓練所が併設されており、希望者は言語や行動抑制の訓練を受けることができます。しかし、その時点では「枠がいっぱい」で、翌年の春まで半年間、息子は待たなければなりませんでした。その間、ただじっと待っていることもできません。他に訓練を受けられるところはないのか、市の保健センターにも相談してみましたが、特に軽度の子供を対象にした施設は少ないようで、これといったアドバイスは受けられませんでした。

弱点全体の克服に挑戦

 そんな時、エルベテークのことを口コミで知りました。当初は、「幼児教室だけど、言葉に遅れのある子供を特別に見てくれるクラスがあるらしい」という程度のものでしたが、藁をもつかむ思いで教室の扉を叩いたのです。最初は週一回、八十分のコースでした。親は言葉の遅れを克服したいというのが、最大の願いだったのですが、エルベの授業は、言葉の問題だけにとらわれず、息子の弱点全体の克服に挑戦するという方針で進みました。まず、相手の目を見てあいさつする、一定の時間、椅子に座って課題に取り組むなど、教室で息子が求められるのは、苦手なことばかりです。当然、最初のうちは教室に通うのを嫌がり、エルベの鞄を見ただけで泣き出す始末です。親のほうも途方に暮れてしまいました。

 ただ、三ヶ月ほどすると、息子にもだんだん変化が現れてきました。教室に行くのを嫌がらなくなり、むしろ喜んで行くそぶりさえ見せるようになってきたのです。最初のうち、慣れが出てきたのと、教材に文字や数字など、息子の好きなものが使われるせいではないかと考えていました。しかし、半年後に病院の訓練所のコースが始まると、エルベを好きになった理由がそれだけではないことが分かってきました。

 病院の訓練所は、障害児の療育では確かに実績がありました。しかし、訓練の目的は「障害者として、どう生きるか」というノウハウの獲得に重点を置いていたのです。ですから、訓練では、ひとりで服を着替えたり、介助なしに食事をするといった「自立した生活」に必要な技術の習得に重点が置かれ、息子の最大の弱点であるコミュニケーション能力を伸ばすことには、さほど関心を払ってもらえませんでした。例えば、「他人の目を見る」というコミュニケーションの第一歩についても「この手の障害を持ったお子さんには難しいことですからね。おいおい訓練していけばいいでしょう」と言われました。要するに、できることからマスターさせていくという方針だったのです。

 エルベではそうではありません。最初から弱点の克服に正面から取り組み、可能性に限界を設けないというアプローチの仕方でした。息子も、最初のうちはつらかったと思います。しかし、そのうちに与えられた課題を習得することへの達成感、自分でもやればできるという喜びを知ったのです。教室が嫌いでなくなった最大の原因は、それではないかと考えています。

「努力する能力」の欠如に気づいた

 普通、子供は親が特に何もしなくても発達していくものです。寝たきりから首が据わり、自分で寝返りができるようになり、お座りができるようになって、ハイハイからつかまり立ち、やがて歩き始めます。知的な面でも、親の顔を見て笑うようになり、片言をしゃべり始め、自分の欲しいものをねだるようになって、そのうち幼児なりの理屈をこねるようになってきます。しかし、よく考えてみれば、こうした発達は、決して「自然に」進むわけではなく、子ども自身が努力して獲得していくものだということに思い当たります。息子をはじめ、発達に問題のある子供の多くは、ごく基本的な「努力する能力」が欠けているのではないでしょうか。

 息子の弱点である「他人とのコミュニケーション」はたいへん難しいものです。大人だって嫌いな相手の目は見たくないし、できれば話もしたくないではありませんか。それよりも、自分が関心のあることにだけ、取り組んでいれば楽なはずです。子供たちは、日々、コミュニケーションに伴う困難を乗り越えて、さまざまな能力を獲得しているのです。一部に、そうした能力を獲得しようという意欲が薄く、自分のしたいこととだけにしか関心を払おうとしない子供がいます。そうした子供たちに、自立した生活を送るための基本的なノウハウを習得させることは可能でしょう。しかし、それはあくまでも「教え込まれたもの」にしか過ぎず、子供が自分で努力して獲得したものではありません。こうしたアプローチでは、能力を伸ばすという点でも、かなり早くに限界が見えてきてしまうように思います。

 息子がエルベで受けている訓練は、結果的にさまざまなノウハウを習得することになるかも知れませんが、それ以前に、自分で努力して何かを獲得する喜びを知ることにつながっているのではないかと考えています。息子がエルベに通いはじめて二年半、今では幼稚園の年中組になりました。実際のところ、同年齢のお友達と比較して、言葉の面での遅れはまだまだ大きいものがあります。自分の要求を伝えることはできても、筋道の立った会話はできません。言葉や行動抑制の面で、クラスメートとの間に大きなギャップがあるのを目の当たりにすると、焦りを感じることもあります。また、来年に迫った小学校入学のことを考えると、不安も膨らみます。

 しかし、この二年半の間、息子は確実に発達してきましたし、それは、親が教えたものものではなく、本人の努力によるものです。そうした姿をみていると、息子が今後も大きく伸びる可能性を信じることができます。現在の能力の水準がどうこうよりも、息子が努力する能力、困難に立ち向かっていくチャレンジ精神を獲得したことが、何よりも大きな成果だと感じています。


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